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成年後見人制度

先週、中古住宅の売買契約がありました。
売主さんは東京にお住まいで、少し認知症の症状があり、
施設に入っていらっしゃるということでした。
そこで、数年前に家庭裁判所に申し立てを行い、
息子さんを成年後見人にしてもらったそうです。
今回のケースは特に問題もなく、
息子さんのお名前で契約が出来ましたが、
これからは、こういったケースが多くなるのではないかと思います。
そこで、成年後見人について少し考えてみたいと思います。

成年後見制度とは

成年後見制度とは、認知症などによって
判断力が低下してしまった人がいる場合に、
その人をサポートする人を家庭裁判所から
選任してもらう制度のことです。
成年後見制度には大きく分けて二つの種類があります。

法定後見制度

大まかに言うと、法定後見制度は認知症などによって
様々なことを処理する能力が不十分になってしまったときに、
法律のルールによって後見人を指定する制度です。
この制度を利用する時は、家庭裁判所に対して
申し立てを行なうことになりますが、
本人の事理弁識能力についての鑑定や、
家庭の事情の聴取などが必要になる為、
手続きには3~4ヶ月程度が必要になります。
審判の結果として選任される後見人としては、
本人の親族がなるケースが多いようです。
(弁護士などの法律の専門家が選任されるケースもあります)
後見人がどのような権限を持つかについては
家庭裁判所が指定することになります。

任意後見制度

前述で説明させて頂いている、「法定後見制度」は
すでに認知症などになってしまった人が利用できる制度です。
一方こちらの、「任意後見制度」は、
将来的に認知症などになってしまったときに備えて、
あらかじめ後見人となる人を定めておく契約のことです。
この制度を利用する為には、まず本人と後見人となる人、
(信頼できる人、例えば、家族、弁護士、司法書士等の専門家)が
「任意後見契約」を公正証書によって行ないます。
その後、実際に本人の事理弁識能力が低下した時点で、
家庭裁判所に対して、任意後見制度の効果を発生させる申し立てを行ないます。
(この申し立てが出来るのは本人や本人の配偶者、や4親等以内の親族、後見人となる予定の人です。)
家庭裁判所はこの申し立てを受けると
後見人を監督する〔任意後見監督人〕を選任します。
任意後見監督人が選任されると、
任意後見が開始することになります。

成年後見制度を利用しようと思ったきっかけ

〔きっかけベスト5〕
第1位  預貯金等の管理・解約
第2位  施設入所等のための介護保険契約
第3位  身上監護
第4位  不動産の処分
第5位  相続手続き

圧倒的に多いのが、本人の預貯金等の管理の為です。
このほかにも、保険金の受け取りや
訴訟手続き等のために成年後見制度を利用する人が増えています。

1・年金生活の一人暮らしのおばあちゃんが訪問販売で
必要もない高額な商品を買ってしまう。⇒任意後見制度もしくは法定後見制度

2・夫に先立たれてしまい、一人で過ごす老後が不安・・・
夫が残してくれたマンションの経営や、将来お世話になるかもしれない
老人ホームの入所手続きを代わりにやってもらいたい。⇒任意後見制度もしくは財産管理委任契約*(成年後見制度ではありません)

3・兄が認知症の母と同居しているが、
どうやら兄が勝手に母のお金を使っているらしい。⇒法定後見制度

4・一人息子は生まれたときから重度の知的障害者で、
私たち両親がなくなった後のことが心配だ。⇒法定後見制度

5・最近物忘れが激しくアルツハイマーの疑いがあり、
一人暮らしのため老後がとても不安だ。⇒任意後見制度もしくは法定後見制度

6・認知症の母の不動産を売却して
老人ホームの入所費用に当てたい。⇒法定後見制度

7・寝たきりの祖母からお金の管理を頼まれたため、
きちんと祖母のお金の管理をしているにも拘らず、
叔父や叔母からなにかと疑われてしまう。⇒法定後見制度

まとめ

高齢化社会の進展に従い、
これらの制度が利用されるケースは
今後ますます増加していくものと思われます。
後見制度については、法律の専門家
(弁護士や司法書士など)からアドバイスを受けることが出来ますから、
「誰を後見人とすべきか?」や
「後見契約の内容としてどのようなことを定めておくか?」について
不安がある方は専門家への相談も検討してみて下さいね。

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