初めて入るお寿司屋さんはちょっとドキドキしますよね？
それも夜しかやってなくて、狭い路地にある、看板も小さくて・・・・となると
一人ではもちろん入れない。
ネットにも載ってないし、電話番号もわからない。
では、どうしてそのようなおすし屋に入ろうと思ったのか？

実は、同級生がやっていたおすし屋さんがとても美味しくて、いつも利用させてもらっていました。
そこに行けば、いつもの味のおすしが食べられて、気心の知れた仲間でワイワイ。
同級会もそこでやり、きのこの時季には皆で鍋を囲みと最高の場所でした。
しかし、2年前、その同級生が何と脳腫瘍に倒れ、あっけなく、この世を去ってしまったのです。
その時のショックはとても言葉に出来ません。
それとともにもうあの味を口にすることは出来ないのかと思うと本当に寂しく、残念でした。
そんな時、そのすし屋さんに居た人がこの近くでお店を出すそうだという情報が入ったのです。その人は何十年も一緒に働いていたので、その味を受け継いでいるかもしれないと期待を持ちました。
そのお店が先ほどの、夜のみの、狭い路地にある、小さなお店なのです。

思い切っていつもの仲間を誘って一緒に入ってみました。皆、好奇心旺盛なのです。
恐る恐る入ると、中は思ったより広くて明るい感じでした。
顔も覚えていてくれて、歓迎してもらえました。
隅のテーブルに席を取り、メニューを見ると、お寿司だけではなく、色々な一品料理や
お酒の種類も多くて驚きました。
何でも日本酒のソムリエがいるらしい。ワインも、そしてもちろんビールも。
私ともう一人は生ビール、そして皆握りずしの並（一番安くても味がわかるから？）
シーフードサラダも頼みました。最初にサラダが出てきました。シーフードが新鮮で美味しかった！
そしていよいよ握りが来ました。
マグロを一口いただいて、「あ、懐かしい味だね！」と3人が口をそろえたのです。
そうそう、この味、少し甘めの寿司飯、甘めの卵焼き、今は亡き同級生を思い出しながら、口いっぱい美味しいお寿司を頬張りました。何と幸せ。

最初は私たちだけでしたが、少しして、大人のカップルが。
又暫くして予約の若い団体のお客様が来て、狭いお店はいっぱいになりました。
次はもう少し上のクラスのお寿司を食べようかな。